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歯科医院の開業ノウハウ「借入金」

借入、融資、という言葉を聞かれて、先生方はどんなイメージをお持ちでしょうか?
歯科医院を開業、経営するうえで避けては通れない「借入金」について、
今回は私なりの解釈をお伝えしたいと思います。


借入、つまり借金と聞いてまず思い浮かぶものといえば
・借金で首が回らずに破産
・借金の返済に追われて生活が苦しい
といったマイナスイメージではないでしょうか。

確かに、借りたお金は返さないといけませんので、借りすぎは危険ですし、返していけるかどうかを計算したうえで借りる必要があります。

しかし、借入は決して悪ではなく、事業を行う上でうまく活用すべきツールと考えています。



【借入をするメリットとは】

1.時間短縮(タイムワープ効果)

例えば、開業資金で1億の資金が必要だったとしましょう。
毎年100万貯めても1億貯めるには100年かかってしまうことになります。これでは生きているうちに開業することができません。
しかし、自己資金が1000万あって残り9000万を融資でまかなうことができれば、いますぐにでも開業することができます。
つまり、借入をすることで100年分の時間短縮をすることができるのです。

よく質問を受けるのが、チェアの増設をする際
A.資金が貯まってから現金購入する
B.ローン(もしくはリース)を組んでいますぐチェアを増設する
どちらがいいですか?という質問です。先生ならどちらを選ばれますか?

私はいつもこのように回答しています。
「いまチェアを増設すれば売上が上がる、効率化が図られる、のであれば、融資を受けてでもすぐにチェア増設をしないともったいないですよ」
チェア1台増やして毎月50万でも売上がアップしそうなのであれば、いますぐに投資を決断すべきではないでしょうか。

2.変化に対応できる

よく無借金経営が素晴らしいと言われますが、それは手元に潤沢な資金があり、今後大きな変化がない安定した業界に限られると考えています。
例えば今回のコロナのような緊急事態が発生した際、手元資金がギリギリだとどうでしょうか?
・マスクをまとめ買いしたいが資金がなくてできない
・スタッフを休ませたいが、休業手当を支払うことができない
など、身動きが取れなくなってしまうリスクがあります。それは勤務医が急に辞めてしまい、売上が下がってしまった場合などでも同じです。

つまり、手元資金に余裕がないのであれば、借入をしてでもいざというときに備えて手元に資金を確保する方が、経営としては正解なのです。



2つのメリットをお話してきましたが、借入には2種類あることを補足させてもらいます。

①設備資金
医療機器や内装など、利益を生み出す「設備」を購入するために必要な資金
設備は5年10年など長期にわたって利益を生み出すので、通常は返済期間が長期になる

②運転資金
人件費の増加や売上変動に伴う一時的な資金繰りをつなぐために必要な資金
あくまで一時的なものなので、通常は返済期間が短期になる


歯科医院では借入を行う際
①であれば、「過剰投資になっていないか」「マイクロ、セレック、導入することで売上増加は見込めるか」といったことを注意しなければいけませんし
②であれば、一時的といいながら慢性的に資金が足りない状況に陥ってしまっていないか、注意が必要です。

借入は決して悪ではなく、うまく利用しながら、リスクを回避しつつスピードをあげて事業を成長させていくのが、医院経営で求められるスタンスではないでしょうか。

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